要介護の方とのお出かけ、なぜ難しい?家族の願いと移動の壁、最新調査で明らかに

介護業界

この記事のまとめ

3行でわかる要点
  • 介護現場で働く皆さん、日々の業務お疲れ様です。
  • 今回は、要介護認定者(要支援2以上)のご家族を対象に行われた「お出かけに関する調査」の結果をご紹介します。
  • この調査からは、ご家族が抱える「一緒に外出したい」という強い願いと、それを阻む移動の壁が明らかになりました。
介護現場への影響

事業所運営やサービス提供体制、地域の介護資源、介護職の雇用環境に関係する動きです。

確認・行動すること

発表主体、対象地域、開始時期を公式情報で確認し、自施設への影響を運営、人員、利用者の観点で整理しましょう。

要介護の方とのお出かけ、家族の願いと厳しい現実

介護現場で働く皆さん、日々の業務お疲れ様です。今回は、要介護認定者(要支援2以上)のご家族を対象に行われた「お出かけに関する調査」の結果をご紹介します。この調査からは、ご家族が抱える「一緒に外出したい」という強い願いと、それを阻む移動の壁が明らかになりました。

結論からお伝えすると、実に6割以上のご家族が「行事や記念日には要介護の方と外出したい」と望んでいる一方で、過去1年間で約8割のご家族が、お出かけを諦めた経験があるという厳しい現実が浮き彫りになっています。

要介護認定者とのお出かけ意向のグラフ

なぜ「お出かけ」を諦めてしまうのか?主な不安は「車両設備」と「料金の不透明さ」

ご家族がお出かけを諦める理由として、移動手段の確保や当日の段取りに関するさまざまな不安が挙げられています。特に多くの方が感じている不安は以下の点です。

  • スロープなど車両設備(ハード面)の不足:78.5%が不安を感じています。

  • 身体状態に応じたサービス対応可否が分かりにくいこと:71.4%が不安を感じています。

  • 予約する前に目安料金が分からないこと:67.8%が不安を感じています。

お出かけを諦めた経験の円グラフ

移動手段の確保や当日の段取りにおける不安やハードルの大きさを示すグラフ

さらに、要介護認定者が複数名いるご家庭では、移動手段の手配や送迎において、精神的・体力的な負担が「2倍以上」または「明らかに増えている」と感じる方が半数以上(55.5%)に上ることも分かりました。

介護タクシー利用者の実態と求めるサービス

「介護タクシー」は、車いすのまま乗車できるなど、移動に介助が必要な方にとって大切な移動手段です。しかし、今回の調査では、介護タクシー利用者もまた課題を抱えていることが示されました。

介護タクシー利用者の約8割が車いすユーザーであり、要介護3〜5の重度な方が半数を占めます。こうした方々は、一般の利用者よりも「福祉車両の予約が取りにくい」(非利用者との差11%)や「目安料金がわかりにくい」(差9.6%)といった課題を強く感じています。その結果、1年以内にお出かけを5回以上諦めた経験がある介護タクシー利用者は、非利用者よりも高い頻度(27.6%)でした。

介護タクシー利用者の外出時における移動の状態を示すグラフ

介護タクシー利用者の過去1年間のお出かけ諦め経験のグラフ

家族が求めるのは「透明性」と「デジタル手配」

では、ご家族は移動サービスに何を求めているのでしょうか?

今回の調査では、福祉・介護専門の移動サービスをアプリやWebで予約する際に、85.4%が「事前の目安料金提示」を、79.9%が「ドライバーの指名(リピート)予約」を重視すると回答しました。

介護・福祉専門の移動サービスでアプリやWeb予約時に重視する点を示すグラフ

「ドライバーの情報」や「目安料金」を事前に確認・予約できるサービスがあれば、83.1%の方が「ぜひ利用したい」「機会があれば利用を検討したい」と前向きな意向を示しており、デジタル技術を活用した透明性の高いサービスへの期待が大きいことが分かります。

ドライバーの情報や目安料金を事前に確認・予約できる福祉・介護専門の移動サービスの利用意向を示す円グラフ

介護現場と移動支援のこれから

この調査結果は、介護現場で働く私たちにとっても示唆に富んでいます。淑徳大学の結城康博教授は、公的な介護保険でカバーされる移動サービスは今後さらに限定的になる可能性を指摘しています。一方で、旅行や娯楽といった「自費での移動」の潜在ニーズは非常に高く、新たな市場が活性化すると見ています。

ドライバー不足は深刻ですが、介護タクシー業界が従事者に還元できるビジネスモデルを構築し、働き手を確保できるかが今後のポイントになります。また、デジタル技術を活用した「移動DX」(デジタルトランスフォーメーション)を進め、親の介護に直面する世代への利便性をアピールできれば、持続可能なビジネスとして十分な可能性があるとのことです。

あなたの仕事にどう関係する?

この調査結果は、介護現場で働く皆さんの日常にも深く関わってきます。利用者さんのご家族が移動に関してどんな悩みを抱えているのかを知ることで、よりきめ細やかなサポートや情報提供ができるようになるでしょう。

例えば、利用者さんの「お出かけしたい」という気持ちを尊重しつつ、ご家族の負担を軽減できるような移動サービス(介護タクシーのアプリ予約など)の情報を共有することも、介護支援の一環となるかもしれません。デジタル技術を活用した配車サービス『よぶぞー』のような介護タクシー予約アプリは、

  • 登録場所や履歴からの直感的な予約

  • 目安料金の表示

  • 安心できるドライバーの指名予約

  • ケアマネージャーの複数利用者一括管理機能

といった特徴があり、利用者さんの移動の選択肢を広げ、ご家族の負担を軽減することが期待されます。

介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」のロゴ

公的なサービスだけでは対応しきれない部分を、民間のサービスや介護テクノロジーが補っていく。そんな介護業界の変化を理解することは、今後のキャリアを考える上でも役立つでしょう。利用者さんの「QOL(生活の質)」向上のためにも、移動支援の選択肢や最新情報を知っておくことは、これからの介護職にとってますます重要になります。

関連情報

介護福祉士ニュースの考察

編集部の見解

「要介護の方とのお出かけ、なぜ難しい?家族の願いと移動の壁、最新調査で明らかに」で紹介された取り組みは、個別企業・地域の事例として見るだけでなく、自施設でも再現できる条件を分けて考えることが重要です。規模、地域資源、職員体制、費用負担が異なれば同じ結果になるとは限らないため、成果だけでなく実施条件も確認する必要があります。

現場で起こり得る具体例

先行事例をそのまま導入すると、担当者や連携先が不足して運用が止まることがあります。まず自施設の課題を一つに絞り、小規模に試したうえで、利用者・職員双方への影響を確認する方法が現実的です。

事業所が確認するチェックリスト
  • 取り組みの対象者・地域・実施期間
  • 費用負担と必要な人員・連携先
  • 紹介された成果の測定方法
  • 自施設で小規模に試せる範囲

※本欄は、発表内容をもとに介護福祉士ニュース編集部が現場での確認点を整理したものです。

記事情報・確認方針

一次情報・参考資料:https://www.shukutoku.ac.jp/academics/sougou/fukushi/kyouin/yuuki.html、https://itforce.co.jp/news/2026_09_08/、https://yobuzo.jp/
発表主体:上記一次情報の発表元(企業・団体・行政機関)
情報確認日:2026年9月24日
執筆:介護福祉士ニュース編集部
内容確認方針:運営者情報・情報の収集確認方針
誤りのご連絡:info@17kaigo.jp

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