時給アップだけでは難しい採用・定着の現実
「時給を上げても、なかなか人が集まらない」「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」。そんな悩みを抱える現場は少なくありません。最低賃金の引き上げが続く中、多くの企業が時給アップに取り組んでいますが、実はそれだけでは採用や定着に限界がきているようです。
株式会社エデンレッドジャパンが実施した「パートタイマーの待遇に関する実態調査」によると、時給を引き上げた企業の8割以上が「時給だけでは他社との差別化が難しくなっている」と感じています。私たち働く側としても、時給が上がったからといって、必ずしも生活に余裕が生まれたと実感できるわけではないのが正直なところではないでしょうか。

なぜ「福利厚生」が大切なのか
今回の調査で注目すべきは、働く側の意識です。仕事内容や時給が同じ条件であれば、約9割のパートタイマーが「福利厚生が充実した職場を選びたい」と答えています。
また、時給が上がった人の中でも、福利厚生に満足している人は「今の会社で長く働き続けたい」「大切にされていると感じる」という意欲が非常に高いことがわかりました。つまり、時給という直接的な報酬だけでなく、住宅手当やスキルアップ支援、食事補助といった「目に見える待遇」が、職場へのエンゲージメント(愛着心や働く意欲)を大きく左右しているのです。
あなたのキャリアと「待遇全体」の視点
介護の現場でも、人手不足が深刻化する中で、研修制度の充実や資格取得支援、あるいは食事補助といった福利厚生の重要性が増しています。会社側が「時給だけ」で人を惹きつけようとする時代から、働く一人ひとりの生活や将来のキャリアをどう支えるかという「待遇全体」の設計が問われる時代に変わろうとしています。
これから介護福祉士を目指す方や、長く働き続けたいと考えている方にとって、職場選びの際には「時給」という数字だけでなく、こうした福利厚生の充実度や、長く働くための支援体制が整っているかを確認することも、自分自身を守り、キャリアを育むための大切なポイントになるはずです。
これからの働き方にどう向き合うか
今回の調査結果は、企業にとっても私たち働く側にとっても、待遇のあり方を再考するきっかけといえるでしょう。給与面でのベースアップはもちろん重要ですが、それと並行して、日々の生活を支える福利厚生サービス(「チケットレストラン」のように手軽に利用できる食事補助など)が、働く意欲を後押しする一つの選択肢として注目されています。
今後、求人情報を見る際には、ぜひ「時給」の先にある「福利厚生」や「長く働き続けられる仕組み」にも目を向けてみてください。自分にとって本当に大切な待遇は何なのか、それを知ることが、納得感のある働き方を見つける近道になるかもしれません。

