このページでわかること
- 介護職員等処遇改善加算の目的と仕組み
- 2026年度の変更点と区分・要件の考え方
- 職員への配分、申請、実績報告の確認ポイント
介護職員等処遇改善加算は、介護現場で働く人の賃金改善と職場環境の整備を進めるための介護報酬上の加算です。2024年6月に旧3加算が一本化され、2026年6月からさらに拡充されています。
このページでは、介護職・事業者の双方が制度の全体像をつかめるよう、仕組み、要件、配分、申請の流れを整理します。
最終更新:2026年9月23日
介護職員等処遇改善加算とは
事業所が一定の要件を満たして届出を行い、受け取った加算額を職員の賃金改善に充てる制度です。加算は事業所の自由な利益ではなく、計画と実績の管理が必要です。
旧3加算は一本化された
2024年5月までの処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算は、2024年6月から「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。複数の制度を個別に管理する負担を減らし、上位区分への移行を促す仕組みです。
2026年度の主なポイント
厚生労働省は2026年6月から加算をさらに拡充し、生産性向上などに取り組みながら上位区分を取得する方向を示しています。具体的な区分、加算率、要件はサービス種別で異なるため、必ず令和8年度の通知と別紙表で確認します。
介護報酬改定の全体像は「介護報酬改定とは?変更点と確認ポイント」もご覧ください。
加算額はどのように決まる?
基本的には、対象となる介護報酬にサービス種別・加算区分ごとの加算率を掛けて算定します。利用者数や提供サービス、区分により金額が変わるため、職員一人当たり一律の金額ではありません。
主な要件の考え方
キャリアパス要件
職位・職責に応じた任用や賃金体系、研修機会、昇給の仕組みなどを整え、職員へ周知します。
月額賃金改善要件
加算による賃金改善の一部を、毎月支払う基本給や決まって支払われる手当の改善につなげます。
職場環境等要件
入職促進、資質向上、両立支援、腰痛対策、生産性向上、やりがいづくりなどの取組を行います。上位区分ほど求められる内容が増えるため、最新の要件表で確認します。
誰に配分される?
介護職員への配分を基本とし、とくに経験・技能のある介護職員への重点配分が考慮されます。一方、事業所内での柔軟な職種間配分も認められています。
「介護福祉士だから必ず同額」「全職員へ均等」と決まっているわけではありません。事業所は配分方針を明確にし、対象者や賃金改善方法を職員へ説明することが大切です。
職員が給与明細で確認したいこと
- 基本給の増額か、手当・一時金で支給されるか
- 手当の名称と算定方法
- 雇用形態や職種による配分の違い
- 賞与・社会保険料への影響
- 就業規則や賃金規程が変更されているか
加算の取得額がそのまま個人の手取り額になるわけではありません。不明点は給与担当者や管理者に、配分ルールと自分への反映方法を確認しましょう。
事業所の申請から実績報告まで
計画書を作成する
算定する区分、賃金改善の見込み、要件への対応状況を記載し、指定権者へ提出します。複数事業所をまとめて申請できる様式もあります。
届出と体制を整える
必要な体制届を提出し、賃金規程、研修、職場環境改善などを実行します。変更が生じた場合は変更届が必要になることがあります。
加算額を賃金改善へ充てる
加算額を上回る賃金改善を実施できるよう、支給状況を継続的に管理します。
実績報告書を提出する
年度終了後、算定した加算額と実際の賃金改善額などを報告します。計画書だけでなく、給与台帳など根拠資料を保管します。
よくある間違いと注意点
- 前年の様式をそのまま使う
- 加算率を全サービス共通だと思う
- 加算額と個人の支給額を同じと考える
- 計画書を出しただけで要件を満たしたと思う
- 職員への説明や証拠書類の保管が不足する
よくある質問
処遇改善加算は全額を職員へ支給しますか?
加算額以上の賃金改善が必要です。ただし、誰へどの方法で配分するかは要件の範囲内で事業所が定めます。
パート職員も対象ですか?
雇用形態だけで一律に対象外となる制度ではありません。実際の配分方針は事業所の計画と賃金規程を確認してください。
申請様式はどこで入手できますか?
厚生労働省の処遇改善特設ページと、提出先となる指定権者の案内から最新版を取得します。
情報の確認方針
本ページは厚生労働省の令和8年度通知・申請案内をもとに編集部が整理しています。加算率、要件、期限はサービス種別や指定権者により確認が必要です。