2026年10月「106万円の壁」撤廃で介護現場はどう変わる? 7割超が影響を予想、最大の懸念は「働き控え」

制度・介護保険

2026年10月「106万円の壁」撤廃、介護現場の7割超が影響を予想

2026年10月より、短時間労働者の社会保険適用が拡大され、これまで「106万円の壁」として知られていた賃金要件が撤廃される予定です。この制度改正に対し、介護現場の7割以上が「人材確保や施設運営に影響がある」と予想しており、特に「働き控えによる人手不足の悪化」が最大の懸念として挙げられています。

これは、レバウェル株式会社が全国の介護サービス事業所・施設でシフト管理や人員配置などに携わる方518名を対象に行った意識調査で明らかになりました。

介護現場の社会保険適用拡大に関する意識調査

「106万円の壁」撤廃とは? 介護現場への影響は?

これまで、短時間労働者が社会保険に加入する際の要件として「月額賃金8.8万円以上(年収換算約106万円以上)」という賃金要件がありました。しかし、2026年10月以降、この賃金要件が撤廃され、「週20時間以上」という労働時間がより重要な加入基準となります。また、企業規模要件も2027年以降、段階的に縮小・撤廃される見込みです。

この変更は、社会保険への加入を避けるために勤務時間を調整していた短時間労働者の働き方に変化をもたらす可能性があります。調査では、介護現場の7割超がこの制度改正によって勤務先の人材確保や施設運営に「大きな影響があると思う(27.2%)」または「やや影響があると思う(44.6%)」と回答しました。

社会保険適用拡大 (賃金要件撤廃) が人員確保・施設運営に与える影響

介護現場が最も懸念すること:「働き控えによる人手不足の悪化」

制度改正による影響があると回答した介護サービス事業所の担当者に、現時点で懸念していることを聞いたところ、最も多かったのは「スタッフの働き控えによる人手不足の悪化(54.6%)」でした。

次いで、「施設側の社会保険料負担の増加による人件費の上昇(50.5%)」、「社会保険加入を避けることによるスタッフの離職(44.6%)」が上位を占めています。

「働き控え」とは、社会保険への加入を避けるために、労働時間を意識的に短く調整することです。これにより、慢性的な人手不足が続く介護現場では、さらなる人材確保の困難や人件費負担の増加が懸念されています。

社会保険適用拡大(賃金要件撤廃)で懸念していること(複数回答)

介護現場で働くあなたへの影響は?

今回の制度改正は、介護現場で働く短時間労働者の方々にとって、自身の働き方や収入に直接関わる重要な変化です。

  • 短時間勤務の方へ
    社会保険の加入要件が変わることで、現在の働き方を見直す必要が出てくるかもしれません。社会保険に加入すると、保険料の負担は増えますが、将来の年金や医療保険などの保障が手厚くなるメリットがあります。ご自身のライフプランに合わせて、勤務時間や社会保険への加入について検討する機会となるでしょう。

  • 施設・事業所の管理者・採用担当者の方へ
    スタッフの働き控えによる人手不足の悪化や、社会保険料負担の増加による人件費の上昇、事務負担の増加などが懸念されています。スタッフとの丁寧なコミュニケーションを通じて制度変更への理解を深め、柔軟な勤務体制の検討や、多様な人材確保の手段を模索することが求められます。

レバウェル株式会社の取締役社長である小西東氏は、介護現場の慢性的な人手不足に対し、多様な人材が希望に応じて働き続けられる環境づくりが重要であるとコメントしています。

調査概要

  • 調査年月:2026年7月10日(金)~2026年7月13日(月)

  • 調査方法:インターネット調査

  • 調査主体:レバウェル株式会社

  • 実査委託先:株式会社マクロミル

  • 対象者:全国の介護サービス事業所・施設でシフト管理・人員配置・採用等の業務に携わる方

  • 回答数:518名

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