介護現場にロボットがやってきた!あなたの仕事はどう変わる?
「介護の仕事は好きだけど、体力的にきつい」「もっと利用者さまとゆっくり話す時間がほしい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな皆さんに朗報です。株式会社ZEALS(ジールス)が開発した、日本の環境に合わせた“準国産”コンパクトヒューマノイド「D1」が、桜十字グループの介護付き有料老人ホーム「ホスピタルメント文京千駄木」で初めて実証実験を行いました。このロボットが介護現場で働くことで、皆さんの身体的な負担が減り、利用者さま一人ひとりに寄り添うケアに、より多くの時間を使えるようになるかもしれません。
準国産ロボット「D1」が介護施設で実証実験
この実証実験(PoC:Proof of Concept)は、2026年9月10日から11日までの2日間、合計15時間にわたって実施されました。D1ロボットは、以下の3つの業務をこなせるかを検証しました。
- エレベーターを使った館内案内
- 備品や配達物などの軽量物運搬
- ポットからコップへの配茶
これまでの検証は医療施設が中心でしたが、今回は利用者さまが日々を過ごす「生活の場」である介護施設での実用性が試されました。
なぜ今、介護施設にロボットが必要なのか?
介護現場では、介護士や看護師が利用者さまへのケアだけでなく、備品の運搬、飲み物の準備、館内案内、レクリエーションの進行など、実に様々な業務を担っています。これらの周辺業務は施設運営に不可欠ですが、繰り返しの作業が多く、現場の身体的・時間的な負担になりがちです。
もし、こうした周辺業務の一部をロボットが代わりに担ってくれれば、介護士の皆さんは、利用者さまとの会話や、個別の状態に合わせたケアなど、「人にしかできない大切な仕事」に、もっと集中できるようになります。これは、介護の質の向上だけでなく、皆さんの働きがいにもつながるはずです。
D1ロボットが挑戦した3つの業務
エレベーターを使った館内案内・移動

D1は、事前に作成された施設内のマップに沿って廊下や共用部を自律移動し、エレベーターを使ってフロア間を移動しながら館内を案内できるか検証されました。スタッフがD1に行き先を伝えると、D1は事務室や玄関、トイレ、エレベーターまで自律的に案内しました。エレベーターに乗る際も、人と同乗して移動先の階で降り、目的地まで進むことが確認されています。
施設内では利用者さまやスタッフが常に行き交いますが、D1はカメラやセンサーで周囲の通行者や障害物を検知し、安全に経路を調整しながら走行を続けました。案内中に利用者さまと自然な会話をする場面も見られ、既存のエレベーターをそのまま利用できるため、施設の改修なしで導入できる現実的な運用方法が確認されました。
介護用品などの軽量物運搬

介護施設は利用者さまの生活の場であるため、介護用品だけでなく、利用者さまが注文した商品など、様々な物品の運搬が日常的に発生します。スタッフは介護業務と並行してこれらの運搬も行っているため、身体的な負担になりやすい業務です。
今回の実証では、D1がこの運搬業務を担えるかを検証しました。具体的には、事務室でスタッフから介護用紙おむつを受け取り、口頭で届け先を確認した上で、指定された居室まで運んで受け渡す一連の動作を行いました。さらに、実際に発生したデリバリー商品の運搬依頼にも対応し、D1が物品を把持したまま移動する複合的な動作の可能性が示されました。これにより、介護士の皆さんの運搬業務の負担が軽減されると期待されます。
ポットからコップへの配茶作業

D1は、お茶をコップへ注ぎ、ポットを元の位置に戻すまでの一連の動作を自律的に実行できるか検証されました。D1はポットとコップの位置をその場で認識し、ポットを持ち上げて注ぐ際には、コップに注がれる量を確認しながら、傾ける角度と注ぎ終えるタイミングを判断します。
この検証により、D1が自律で配茶を行える可能性が確認されました。ただし、動作の安定性や再現性にはまだ課題があるとのこと。今後は、今回のデータをもとに、ポットやコップの認識、把持、注水といった各動作の学習を重ね、より安定して実行できるよう精度改善が進められる予定です。これが実用化されれば、飲み物の準備にかかるスタッフの工数を大きく削減できる可能性があります。
実証結果と今後の展望:あなたの仕事はどう変わる?
今回の実証実験は、D1が介護付き有料老人ホームという、利用者さまの生活空間においてどのような業務を担えるのか、そして運用上の課題は何かを具体的に把握するための重要なステップとなりました。
ジールスは2026年8月にも、医療法人桂名会 重工大須病院でD1の実証実験を行っており、医療現場でも業務を担えることを確認しています。今回の介護施設での検証と合わせ、D1は医療と介護という異なる現場で、短期間に連続して実用性が実証されたことになります。
桜十字グループの菅谷 真 運営部長は、介護分野の人手不足が深刻化する中で、スタッフの労働負担軽減が極めて重要だとコメントしています。D1が物品搬送や案内といった日常業務を代替することで、「現場に対する大きな業務支援につながる」と期待を寄せています。さらに、「ロボットによって生まれた時間を、スタッフが利用者さまとの対話や心のこもったケアなど、人にしかできない温かな対応に充てられることにも大きな意義がある」と語り、D1が「施設内でともに働くメンバーとして十分に寄与できる可能性を感じた」と評価しています。
今回の検証で得られたデータは、D1のさらなる学習と改善に活用され、介護施設での具体的な活用方法や、ホスピタルメントの他の施設への展開も検討されるとのことです。皆さんの職場にも、D1のようなロボットが「同僚」としてやってくる日が近いかもしれませんね。
「D1」ロボットってどんなもの?
D1は、全高約129.3cm、走行ベース幅約48cmとコンパクトな設計で、日本の屋内空間で人と共存し、具体的な業務を担うことを目的に開発された“準国産”コンパクトヒューマノイドです。AIによる自然な対話、受付・案内、自律ナビゲーション、障害物回避、多言語対応に加え、双腕による物品準備、運搬、物品の受け渡しなど、身体性を伴う業務支援への展開を進めています。
D1について、さらに詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。
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株式会社ZEALSについて: https://zeals.ai/jp/
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桜十字グループについて: https://sakurajuji.com/
まとめ:介護の未来を拓くテクノロジー
今回のD1ロボットの介護施設への導入は、介護現場の未来を考える上で非常に大きな一歩です。ロボットが周辺業務を担うことで、介護士の皆さんは、身体的な負担から解放され、利用者さま一人ひとりの心に寄り添う、より質の高いケアを提供できるようになるでしょう。これは、皆さんの仕事のやりがいを高め、介護職の魅力をさらに広げることにつながるはずです。
テクノロジーの進化が、介護の現場をより豊かに、より人間らしく変えていく可能性を秘めていることを、このニュースは教えてくれます。未来の介護現場では、ロボットが皆さんの大切な「同僚」として、共に働くことが当たり前になるかもしれませんね。

