- やさしい手が10月14~16日の大阪ケアウィークで介護AIを紹介する。
- ブルーオーシャンノートとの記録連携は予定で、仕様は開発中。
- 導入判断は文案の作成速度に加え、確認・修正と転送後の記録まで見る。
記録や計画書の準備を見直す機会となる。本人の希望の確認、記録の確定、個人情報の管理は事業所で設計する必要がある。
使える機能と開発予定を分けて確認し、架空の記録で試す。見学希望者は来場登録とセミナー予約を確認する。

株式会社やさしい手は2026年10月7日、10月14~16日の「大阪ケアウィーク’26」で介護向け生成AIを紹介すると発表した。会場はインテックス大阪6号館、同社の小間番号は7-11。ケアプランなどの書類作成支援に加え、介護記録ソフトとの連携構想を取り上げる。現場にとっては、文章作成と転記の両方を見直す機会になる。
何が発表され、何が開発中なのか
同社が配信した発表では、音声や入力内容からの文章化、Excel・PDF出力を紹介する。一方、「ブルーオーシャンノート」とのAPI連携は予定で、機能・仕様は開発中と明記されている。現時点で、すべての事業所が記録を自動転送できると受け取らないことが大切だ。
以下は編集部の実務上の整理である。導入を検討する際は、今使える機能と今後追加される機能を分けて説明してもらいたい。既存ソフトの契約を変えたり、転記の担当をなくしたりする判断は、対応する項目、提供開始日、利用条件が明らかになってから行うのが現実的だ。
文章作成が速くても、確認する仕事は残る
AIの文章化は、本人の発言、介護職の観察、職員の判断を同じ意味で扱ってよいということではない。読みやすい文章に整っていても、否定表現、日時、発言者、支援の実施状況が原記録と合っているかを確認する必要がある。文章の自然さだけで記録の正確さを判断しないようにしたい。
たとえば、面談で「家族が訪問回数を増やしてほしいと話した」という記録が、本人の希望としてまとめられれば、計画の検討材料が変わってしまう。これは編集部が考えた架空例であり、今回の製品で実際に起きた不具合ではない。試行時には、自施設で扱う典型的な記録を使い、何を誰が点検するかを決めておくとよい。
また、文案の作成支援と、ケアプランの内容を判断することは別である。本人の生活上の目標、関係者の意見、支援の必要性を踏まえた検討までAIに済ませてもらったと扱わず、担当者が確認して確定する流れを維持したい。修正前の出力と確定記録を区別できると、後から経緯も振り返りやすい。
記録ソフトとの連携は、転送先まで確認する
記録の連携を試すときは、「送信できた」という表示と、記録先に正しく保存されたことを分けて見る。利用者の取り違え、同じ記録の重複、必須項目の抜けをどう発見するかが確認点になる。どの画面で保存結果を見られるか、失敗した際の再送が二重登録につながらないかも尋ねたい。
連携予定の機能については、こうした仕様がどうなるかをメーカーへ確認する段階であり、本記事は対応済みと断定するものではない。展示のデモでは一連の操作を見せてもらい、自施設の記録様式や承認手順に当てはめて質問すると、導入後に残る作業を把握しやすい。
個人情報と運用費を契約前に整理する
面談の録音や介護記録を扱うなら、入力する情報の範囲、保存場所と期間、AI学習への利用、閲覧権限、削除方法を確認することを編集部は勧める。展示会で試す段階は、実在の利用者を特定できる情報を持ち込まず、架空の記録を用意すると検討を進めやすい。
費用は月額料金だけでなく、初期設定、連携の追加料金、端末、研修、問い合わせ対応まで見積もりたい。システムが使えないときの代替記録と復旧後の転記、契約終了時のデータ取り出しも確認点だ。機能の多さより、自施設で続けられる運用かどうかを判断の軸に置く。
見学後は一つの業務で効果を測る
まず記録作成など一つの業務で試し、作成時間と確認・修正時間を合わせて比較したい。入力を短縮できても、差し戻しや二重管理が増えれば職員全体の負担は減らない。修正件数、記録の抜け、相談に費やす時間も残すと、現場の実感と数字を合わせて評価できる。
導入前の課題整理は、介護DXの進め方とツール選定の確認点も参考になる。今回の発表だけで、自施設の削減時間やケアの質の改善が保証されるわけではない。削減した時間を観察や対話に戻せるかまで、試行後に振り返りたい。
セミナーは10月15日、予約方法を確認
香取幹社長の登壇は10月15日11時20~50分。無料、定員50人、予約制と案内されている。参加希望者は公式の来場登録案内と聴講予約の手順を確認してほしい。商品紹介の場として、説明を自施設の導入条件に照らして聞き、帰所後に試行の範囲と担当者を相談する材料にしたい。
導入の価値は「文章ができた」後の作業で決まる。確認担当を曖昧にせず、記録の確定と連携先の保存まで含めて試したい。
- 現在提供中の機能、連携の開始時期・対象項目・費用を区別したか。
- 出力の修正者と確定者、送信失敗時の対応は決めたか。
- 保存期間・学習利用・削除方法と、確認を含む総作業時間を評価するか。

