介護報酬改定が「個人の知識」に頼りがちな理由
介護報酬改定とは、介護サービスの価格や算定ルールが数年ごとに見直されることです。この改定があると、介護事業所では加算の算定要件(追加で報酬を得るための条件)や申請書類の書き方など、新しいルールに対応するための事務作業が発生します。
しかし、こうした改定への対応は、しばしば事務担当者個人の経験や知識(暗黙知)に頼りがちです。誰かが調べて、内容を読み解き、周囲に伝えるという流れが多く、組織全体やシステムとして知識が蓄積されにくいのが現状です。

このため、もし担当者が異動したり退職したりすると、その知識が失われてしまい、事業所の運営に支障が出ることもあります。これは、良いサービスを提供することと、事業として適切に収益を得ることのバランスが難しい、制度産業特有の構造的な問題と言えるでしょう。
なぜ「業務改善」が現場で進まないのか
「マニュアルを作る」「新しいシステムを導入する」といった業務改善策は、一般的に知られています。しかし、介護現場ではこれらの解決策がなかなか実行に移されません。なぜなら、現場の業務を止めて研修を受けたり、システムを移行したりすることが難しいからです。訪問介護なら利用者の訪問を、施設なら入所者のケアを止めることはできません。
クラシテクは、訪問看護ステーションの事務を代行するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の経験から、この「実行できない」という現場の事情をよく理解していると述べています。

そこでクラシテクが掲げたのは、「現場を変えない」という前提です。この前提のもと、以下の3つのポイントが示されました。
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操作は普段のまま: LINE WORKSやTeamsといった普段使いのチャットツールやスマートフォンで操作でき、新しいアプリを覚える必要がありません。
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システムも業務フローもそのまま: 今使っているカルテや請求ソフト、業務の流れを変えずに、AI側がそれに合わせます。
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AIだけに頼り切らない: AIと人の知識・経験を組み合わせる「ヒューマン・イン・ザ・ループ」という考え方で、より正確で柔軟な対応を目指します。
現場を変えずに事務を効率化するAI「SHISHI」の機能
クラシテクが提供する業界特化型AIエージェント「SHISHI」は、この「現場を変えない」アプローチで、介護現場の様々な事務作業をサポートします。講演では、具体的な4つの機能が紹介されました。
- 記録書Ⅱ作成: テキスト、写真、音声のいずれかで情報を送るだけで、記録書Ⅱの作成から請求ソフト(カイポケなど)への連携までをAIが行います。例えば、手書きメモの写真を送ると必要な情報が自動で下書きに入力され、音声で話した内容は文字に起こされます。
- 報告書作成: チャットで依頼すると、月内の記録から下書きを作成します。対象月、計画書、指示書の内容が自動で反映され、内容を確認して保存すれば、請求ソフトへの同期も案内されます。
- レセプト(介護給付費明細書): AIが必要な判断箇所だけを提示し、予定と実績が合わない利用者や加算漏れの可能性がある利用者をピックアップします。最終的な確認は人が行うため、安心して利用できます。
- AI集患電話: 新規の相談電話にAIが応答し、必要な情報を聞き取って空き状況を確認し、訪問日時を提案します。受付内容はLINE WORKSなどへ通知されるため、電話対応の時間を大幅に削減できます。
「SHISHI」は、訪問看護ステーション向けの「SHISHIホウカン」を皮切りに、訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、特別養護老人ホーム、病院など、様々な業態に合わせて提供範囲を拡大しています。


導入事例と介護現場への影響
講演では、訪問看護以外の業態における導入事例も紹介されました。例えば、北翔会病院では、医師のカルテ入力はそのままに、加算を含むレセプト作成を「SHISHI」で実行し、返戻の可能性まで月次でチェックしています。これにより、管理者からは「ベテラン事務の知識に頼らなくてよくなった」という声が聞かれ、特定の職員に事務作業が集中する「属人化」の解消に貢献しています。
AIの活用は、介護現場の事務負担を軽減し、介護従事者の皆さんが利用者へのケアにより集中できる環境を作る可能性を秘めています。特に、制度改定のたびに発生する事務作業の煩雑さから解放されることは、日々の業務の質向上や精神的な負担軽減につながるでしょう。
今回のセミナーに関する詳細はこちらで確認できます。
https://www.cbnews.jp/seminar/entry/seminar20260903
株式会社クラシテクのサービスについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
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コーポレートサイト: https://kteku.com/
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サービスサイト: https://kteku.com/shishi/
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