滋賀県で福祉DXが加速!AI導入で相談支援専門員の負担を軽くし、質の高い支援へ

介護テクノロジー

「のぞまないセルフプラン」をなくすためにAIが活躍

国は「令和11年度末までに『のぞまないセルフプラン』の件数をゼロにする」という目標を掲げています。「のぞまないセルフプラン」とは、本来なら相談支援専門員さんが作成すべき「サービス等利用計画」を、人員不足などの理由で利用者さん自身が作成せざるを得ない状況のことです。

現場では、相談支援専門員さんが増えても、業務が多すぎて疲弊したり、体調を崩したりするケースが後を絶ちません。これでは、利用者さんを待たせてしまったり、十分な支援ができなかったりすることも出てきてしまいます。

今回の福祉DXプロジェクトは、こうした課題を解決するためにAIの力を借りようというものです。「Hope Care AI」のような福祉AIを導入することで、書類作成などの事務作業を効率化し、相談員さんが本来の業務である利用者さんとの対話や支援計画の検討に集中できる時間を増やそうとしています。

現場の声からわかるAIの効果

この取り組みを主導する社会福祉法人とよさとの吉川施設長と木村課長は、AI導入によって現場に大きな変化があったと語っています。

書類作成が大幅に短縮、心理的負担も軽減

木村課長は、「新規利用者さんのフェイスシートや情報共有シートの作成にかかる時間が大幅に短縮された」と話します。これまでは、過去の記録を一つひとつ読み込んで情報を整理するため、ケースによっては2〜4時間以上かかることも珍しくありませんでした。まとまった時間が必要なため、心理的な負担も大きかったそうです。

「Hope Care AI」導入後は、記録をもとにAIが書類の案を作成してくれるようになり、確認・修正を含めて30分程度でできるようになりました。時間短縮はもちろんのこと、「作らなければ」という心理的な負担が減ったことが一番大きな変化だといいます。

利用者さんへの支援の質も向上

AIによって生まれた時間の余裕は、支援の質の向上にもつながっています。例えば、情報共有シートを作成する際、渡す相手(作業所、訪問看護など)に応じて、どの情報をどの程度詳しく伝えるか、といった工夫ができるようになりました。

「AIに情報整理の一部を任せることで、相談員が本来大切にしたい、利用者と向き合うことや、支援の質を高めるために考える時間と心の余裕を持てるようになったことが、一番大きな効果だと感じています」と木村課長は語っています。

現場インタビュー

滋賀県から全国へ、持続可能な福祉の形を目指す

このプロジェクトは、滋賀県からの依頼を受けて県内10法人が連携して進めている点が特徴です。様々な体制や業務フローを持つ複数の法人で「Hope Care AI」を活用することで、全国の相談支援事業所でも役立つ汎用的な導入モデルを確立することを目指しています。

滋賀県で実証を進める共同パートナー

福祉DXの必要性

福祉現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、単なるIT化ではなく、事業所の持続可能性と支援の質を同時に高めるための重要な取り組みです。主な理由は以下の4つです。

  • 黒字経営と事業持続性の確立: 安定した運営基盤を作り、長く事業を続けられるようにします。

  • 残業・属人化リスクの回避: 特定の職員に業務が集中するのを防ぎ、残業を減らして組織全体の対応力を高めます。

  • 待機利用者の発生防止: 必要な支援を待っている利用者さんを減らし、適切な支援を届けます。

  • 業務負担軽減と対人支援時間の確保: 職員さんの負担を減らし、生まれた時間を利用者さんと丁寧に向き合う本質的な支援に充てます。

福祉におけるAI活用とは

福祉でAIを使うことは、一般的なAI活用とは少し違います。それは、「利用者さん」を中心に考えるからです。

  • 基本単位は「利用者」: 記録や計画は利用者さんごとに積み上がっていくものです。

  • PDCAサイクルでつながる: 計画、支援、評価、改善がAIを通じて一連の流れでつながることで、本当に役立つAIになります。

  • 長期的・継続的な利用: 単発ではなく、長期にわたって継続的に利用することが前提です。

  • チームで使うもの: 個人ではなく、チームや法人全体の「仕組み」として活用することで、誰が使っても同じ水準の支援ができるようになります。

  • 機能の前に「安全」を設計: 繊細な個人情報を扱うため、情報漏洩や不正利用を防ぐためのセキュリティ対策が最も重要です。

「Hope Care AI」のコンセプト詳細はこちらをご覧ください。
https://hope-care-ai.ordentier-corp.co.jp/concept/

独立採算シミュレーターの活用

社会福祉法人とよさとでは、相談支援事業所が単独でも持続可能な運営ができるよう、「相談支援事業所 独立採算シミュレーター」を作成し、提供しています。これは経営者向けではなく、現場の相談支援専門員さんが気軽に使えるツールです。

相談支援事業所 独立採算シミュレーター

希望する年収や1件あたりの報酬単価を入力することで、自分の仕事が法人にどのような価値を生み出しているのかを数字で理解し、自立した事業所運営の意識を高めるきっかけになっています。

独立採算シミュレーターはこちらから利用できます。
https://consultation-support-simulator.pages.dev/

まとめ

今回の滋賀県での福祉DXプロジェクトは、3年間で県内30法人への展開を目指しています。介護現場の業務負担をAIで軽減し、相談支援専門員さんが利用者さんとじっくり向き合える時間を作ることは、職員さんの働きやすさ向上だけでなく、地域全体の福祉サービスの質を高めることにもつながります。

AIやDXは、私たちの仕事のやり方を変えるだけでなく、利用者さんへの支援をより豊かにする可能性を秘めています。この取り組みが、全国の介護現場にとっての希望となるでしょう。

「Hope Care AI」のサービスサイトはこちらです。
https://hope-care-ai.ordentier-corp.co.jp/

株式会社オルデンティアコーポレーションのコーポレートサイトはこちらです。
https://ordentier-corp.co.jp/

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